(ここは「川越市 矯正歯科 小児歯科 審美歯科 大東にし歯科医院」
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先日、診療室で流れるラジオを聞くともなしに聞いていると
「私の通っている歯医者は治療がものすごく早いとても上手な先生なんですよ!」
という声が流れてきてちょっと手が止まってしまいました。
皆さんは治療が早いのは名医だと思われますか?
臨床をやっていて良くこんな人に出くわします。
痛い痛い!!と転がり込んできた患者さんの鎮痛処置をしてまあなんとかその歯は金属冠かレジン冠が被って終了とな.るとしましょう。
私も治療は早いほうで着手から大体5から6回の治療で終わります。
すると次に言われることが「みつくろって悪いところを治しておいてください。何回で終わりますか?」
ここまでの流れ、当然と思われますか?
普通の歯医者はここで、ちょっとでも変色している歯の溝を必死に探して削って詰めてくれるでしょう。
それが一度に4から5本も詰めてもらって数回でと「終わりですよ、」と言われたら、
あなたは「よかった早く終わった名医に当たってあっという間に終わった。助かった!」と感謝感激されますか?
一般的な感覚で言われる「いい歯医者さん」というのはたぶん上記のような先生のことだと思われます。
ところがこれは健康保険制度が生んだとんでもないモンスターなのも知れないんですよ。
しかもあなたのお口は「地雷原」化してしまっているのかもしれません。
歯の治療は終わる時はサクサク終わります。当院での治療のように。
もちろん不必要に長引かせることは良いことではありません。
ところがはやくはやくと急かせて虫歯を詰めさせるということ。これは問題です。
健康保険制度では削って詰めれば詰めただけ、神経を抜いて被せれば被せただけ、多くの報酬が入る仕組みになっています。
それもどういうわけだか、本数をまとめてぽんぽんぽんと詰めてしまったほうが儲かるようになっています。
いわゆる出来高払いです。
「みつくろって」と言われて口を開けられたら、歯医者はまず何本稼げるか、という視点であなたのお口の中を見渡します。
それは必ずしも治療の必要な歯ばかりではなく、ほんの少し溝が黒くなっているだけの歯であったり、ただの着色であったり
ひどい時は全く何でもない歯だったりもします。
「みつくろって」という白紙委任をされているわけですから、虫歯になりそうだったから、という理由で健康な歯まで削る権限を
与えてしまっていることになるのです。
そしてここからが問題なのは「早く」という付帯条件がつくことです。
早く終わらせるには、何本もまとめて削って詰める、のが一番です。
あるブロックをバカバカバカと削って接着もほどほどにコンブジットレジンを流し込んでおく。
もしも根管治療(根の治療)に出くわしたら、やったふりをして適当に薬をつめ穴をふさいでしまう。
最短全歯列の歯に穴を開けて詰めるのに3〜4回。かかっても5〜6回で総当たりできます。
みつくろって詰まりましたね。良かったですね。早かったですね。
先生は名医でしたね・・・
数年すると、前回の治し損ないの歯が外れたり痛くなったりしてくるかもしれません。
あなたはまた件の名医を訪れます。
そして「神経が駄目ですね。取って被せましょう。」とちゃちゃっと根治をやって金属冠を被せてもらいます。
今回もみつくろって、前回詰めたものをはがして詰め治してもらいます。また数回で終わりました。
良かったよかったやっぱり名医はちがうよ。
そして、また数年後どこかの治し損ないが痛くなり・・・・
後は歯がなくなるまでこのパターンが繰り返されていきます。
あなたのお口は、ある時、前歯がすべてプラスチック、奥歯が銀歯、という状態になります。
そして次は歯が抜けブリッジとなり、ブリッジが外れ歯が抜け取り外しの入れぱとなり、歯がドミノ倒しのように失われていきます。
治療の早い「名医」にかかった一生の長い長い物語です。
「治療が早い」というのは名医か否かの指標にはまったくならないのです。
治療をするときは再発起こさないよう完璧を期する。というのが歯を削って治療する時の絶対条件となります。
そのためには一本一本の治療に手間をかける必要が生じます。
したがって不本意ながら時間のかかることもある。
それと医療人としての常識は治療が必要か否か疑わしかったら安易に切削のような不可逆的処置を行わない
ということです。
それになにより一番大事なことは、なんで悪くなっているのか、原因を追究しそれを除去する。という根本治療を行う。
根本治療とは、歯科疾患の場合その原因の大半がバイオフィルムですから、バイオフィルムを、着けず、残さず、増やさない、予防処置を行うということです。
テクニック的には家庭での口腔清掃と医院でのプロフェッショナルケア。
を行っていく、そして虫歯、歯周病の発生を防ぎ、歯を削らないですむ予防管理をしていく。ということです。
これには終わりがありません。
長い長いスパンで物を考える必要があります。
日常の生活のサイクルの中に取り込まれた時、予防管理は威力を発揮します。
治療が早く終わることに何の意味もありません。
どうか、物事の本質を見失わないように
また皆さんの歯を不必要に失わないようにご注意ください。
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